山形の人は、なぜ名乗るときに「〇〇でした」と言うのか?
山形で仕事をしていると、とても興味深い言葉づかいに気づくことがあります。お客様からお電話をいただいたとき、あるいは取引先の担当者さんと初めて名刺交換をしたときでも、山形の方は自己紹介の際にこう言うことが多いのです。
「〇〇でした」
初めてこの言い回しを聞いたとき、私は思わず「えっ、過去形?」と驚きました。私の育った地域では「〇〇です」と現在形で名乗るのが普通だったからです。
しかし、山形で暮らし、働き、たくさんの地元の方々と接する中で、この“過去形の名乗り”には、山形ならではの気遣いと控えめな優しさが込められているように感じるようになりました。
■「でした」には、相手への遠慮と礼儀がある
山形県の方々は総じて、ガツガツ前に出るよりも、相手に配慮し、場の空気を大切にする文化を持っています。「〇〇でした」という言い方には、
「突然すみません、名乗らせていただきました」
という、どこか遠慮がちな柔らかさが含まれています。
また、電話口などでいきなり「〇〇です!」と強く名乗るよりも、語尾を「でした」とやわらかくすることで、角を立てず、相手にそっと寄り添うような印象を与えるのでしょう。
■暮らしてみてわかる、山形の「穏やかさ」
山形で仕事をするようになって改めて感じるのは、地元の皆さんが本当に穏やかで、真面目で、あたたかいということです。言葉づかいひとつにも、お互いを大切にする県民性がにじみ出ています。
私たちクリーニング会社も、この山形の優しさと誠実さを大切にしながら、地域の皆様に気持ちよくご利用いただけるサービスづくりを続けていきたいと思います。